あわい屋 ZEROS シンボル
ZEROS(あわい屋)
無料相談
THE FIRST SEAT

先に動いたのは、
非エンジニアだった

AIを入れよう、という話になったとき。多くの組織は、まず「詳しい人」を探します。

けれど、実際に何かが変わった事例を並べてみると——動いていたのは、法務であり、事務であり、デザインでした。技術者ではない人たちの席から、先に始まっている。

なぜそうなるのか。そして、自分の組織ではどの席から始めればいいのか。公開されている事実と、医療・介護の現場での実践から整理します。

本ページは、あわい屋ZEROSが独自に作成したものです。Anthropic PBC およびその関連会社とは、提携・協賛・監修などの関係はありません。

文中の事実および数値は、同社が2025年に公開した資料の内容を当方が要約したもので、原文の翻訳ではありません。「Anthropic」「Claude」は Anthropic PBC の商標です。

WHAT ACTUALLY HAPPENED

公開されている事実

2025年、Anthropic社が自社の10部門への聞き取りをまとめた資料を公開しました。開発部門の話だと思って読むと、少し違うものが見えてきます。上の4件は、技術者ではない人や専門外の人が自分で作った事例です。下の3件は技術部門ですが、専門外の領域に踏み込んだときに何が起きたかの記録として並べています。

  • 法務部門適切な担当者へ繋ぐ振り分けの仕組みを、法務担当者自身が試作した
  • マーケティング部門技術者ではない一人のチームが、広告文の生成と検証を自動化した作成 2時間 → 15分
  • デザイン部門設計書を書いてエンジニアと往復する代わりに、自分で実装するようになった実行速度 2〜3倍
  • データ分析部門本人いわく「JavaScriptはほとんど知らない」状態で、分析用の画面を一から作った5,000行規模
  • セキュリティ部門開発部門だが、社内モノレポにあるカスタムコマンド実装の半分を、この部門が使っている全体の 50%
  • 推論部門機械学習が専門ではない担当者が、モデル固有の関数や設定の意味を調べる時間が縮んだ1時間 → 10〜20分
  • RLエンジニアリング部門短いプロンプトでの一発実装が初回で成功するのは、約3回に1回だと明記されている初回成功 約1/3

ここに並ぶ数字は、いずれも「速くなった」話です。この資料で見たいのは、そのあとに来る「できるようになった」ほうです。
出典:Anthropic「How Anthropic teams use Claude Code」(2025年公開)。数値はPDF版(全23ページ)に記載されたもので、ブログ記事版では一部が丸められています。統制された計測ではなく、各部門の証言として公開されているものです。

THE SPLIT

効果の出方は、二種類に割れる

同じ資料の中に、こういう趣旨の記述があります。開発者にとっては「今までもできたことが速くなった」。非技術者にとっては「これまでできなかったことが、できるようになった」。

——同じ道具なのに、効果の性質が違う。

ここが、導入を考えるときの分かれ目だと考えています。速くなるだけなら、投資対効果の話です。できるようになるなら、それは誰が何をする組織なのか、という話になる。

そして後者のほうが、たいてい金額が小さく、効果が大きい。

WHY IT WORKS

なぜ「困っている席」から始まると、動くのか

01

困りごとの解像度が、一番高い席だから

「何に困っているか」を正確に言えるのは、困っている本人だけです。仕様書に書き起こした時点で、いちばん大事な手触りが落ちます。落ちた分を埋めるために、また会議をする。その往復が消えます。

02

要件を渡す相手が、いなくなるから

これまでは「伝える」工程が必ず挟まりました。伝える人と作る人が同じになると、伝達の誤差そのものが消えます。速くなるのではなく、工程が一つ無くなる。

03

小さく失敗できる領域だから

基幹システムには触りません。毎月の当番表、委員会の議事録、受講記録の集計——止まっても誰も死なない場所です。だから試せる。試せる場所からしか、経験は溜まりません。

IN THE FIELD

現場で、実際に起きたこと

海外の大企業の話に見えるかもしれません。けれど同じことが、医療・介護の現場でも起きています。以下は当方が関わった事例です。組織が特定されない範囲で書いています。

委員会の議事録

書記が使う道具を、書記の言葉のまま作りました。会議のメモを貼ると、決定事項と持ち帰りに分かれて整形される。AIに渡す指示文まで手順書にして、担当が替わっても同じ品質で回るようにしています。

医師の当番表

毎月、担当者が手作業で組んでいました。条件は頭の中にあり、書き出されていない。まずその条件を言葉にするところから始めています。

研修の受講記録

紙とExcelに散っていた記録を、一か所で見られるようにしました。誰が何を受けたかが分からない状態では、教育計画は立てられません。

育成の物差し

「人が育っているか」を、感覚ではなく設問で見られるようにしました。診断そのものより、何を育ちと呼ぶかを言葉にする作業のほうが大変でした。

共通しているのは、どれも「基幹システム」ではないことです。毎月、誰かが手で繰り返していた作業。そこから始めています。

WHERE IT STOPS

うまくいかないときの、型

止まるときは、たいてい技術の問題ではありません。同じ止まり方を、何度か見ています。

「詳しい人」に任せると、困っていない人が作ることになる

出来上がったものは動きます。けれど現場は使いません。使わない理由を聞くと、たいてい「そこじゃないんです」と言われます。

動くものができても、続かない

作った本人が異動すると止まります。手順が頭の中にしか無いからです。道具そのものより、手順書のほうが寿命が長い。

現場が「勝手に作った」と責められる構造になる

これが一番多い。作った人が悪者になる組織では、二人目が出てきません。先に決めておくべきは、技術ではなく、誰が許可を出したことにするかです。

WHERE TO START

では、どの席から始めるか

大きな意思決定は要りません。システムの入れ替えの話でもありません。次の四つに当てはまる作業が、社内に一つあれば足ります。

  1. 01毎月、同じ手順を繰り返している作業があるか
  2. 02その作業の手順を、本人以外が説明できるか
  3. 03止まっても、その日のうちに困る人がいない範囲か
  4. 04作った人が、責められない立て付けになっているか

四つ目が抜けている組織が、いちばん多い。これは誰かの落ち度ではなく、決めていないだけのことです。技術より先に、そこを整えておくほうが結果的に早く進みます。

WORKSHEET

自社のどの席から始めるかを、書き出すシートを置いてあります

  • ・繰り返している作業を洗い出す、記入式の1枚
  • ・上の四つの条件で、始めていい作業かを判定する欄
  • ・「誰が許可を出したことにするか」を先に決めておく欄

登録は要りません。開いて、印刷して、書いて、そのまま閉じていただいて構いません。

シートを開く

書いたものを、誰かと一緒に見たくなったら

そのときだけ、入口が開くようにしてあります。売り込みはしません。まず三十分、聴くところから始めます。

本ページとシートは、あわい屋ZEROSが独自に作成したものです。Anthropic PBC が作成・監修したものではなく、同社との提携関係もありません。
LINEで聞いてみる

友だち追加により、あわい屋ZEROSはLINEの利用者識別子および表示名を取得し、次の目的で利用します。

  • ・お問い合わせへの回答
  • ・資料や取り組みの更新に関するお知らせの配信

取扱いはプライバシーポリシーによります。こちらから営業のご連絡を差し上げることはありません。配信の停止は、いつでもブロックで行えます。

出典

Anthropic「How Anthropic teams use Claude Code」(2025年公開)
本文中の数値は、同資料のPDF版(全23ページ)に基づいています。
PDF版(全23ページ)ブログ記事版

同資料は2025年時点の内容です。ツール側の仕様はその後変わっている箇所があります。本ページでは、仕様に依存しない事実と考え方のみを扱っています。

ホームへ戻る